Google Maps API for Flash が廃止、3年でサポート打ち切り

Google Desktop や Google Note などと同時に Google Maps API for Flash が廃止されることが発表されました。

米Googleは2011年9月2日、数ヶ月内に終了する10サービスを公式ブログで発表した。(中略)

終了するサービスは次の通り。

  • Google Maps API for Flash:Google MapsをFlashアプリに埋め込むためのActionScript API。今後はJavaScript Maps API v3に。
ASCII.jp:米Google「秋の大掃除」Google DesktopやSidewikiなど10サービスの終了を発表

また、Google-Maps-API-Japan の Google グループ上に Google Geo Developper ブログの公式発表 の日本語訳が掲載されています。

2008年5月 Google Maps API for Flashは、Google MapsでFlashアプリケーションを利用したい、Flashの性能とクロスプラットフォームで利用したいというActionScriptディベロッパー達からの需要に応えて開始しました。

しかしMaps API for Flashの使用量はMaps API 全体の通信量の少ない割合でしかなく、いくつかの数のアプリケーションしか Maps API for Flashの便利でユニークな機能を使っていませんでした。

さらには、ブラウザのJavaScriptの実装のパフォーマンスと一貫性が進化し、JavaScript Maps APIによる開発は代替手段としてだんだんなってきました。

結果としてGoogle MapsチームはMaps API for Flashを廃止し、JavaScript Maps API v3を発展させていくことに集中することにしました。Maps API for Flashアプリケーションは機能はMaps API利用規約の廃止ポリシーに従って機能が提供されます。深刻なバグ、リグレッション(前のバージョンにはなかったバグの再発)、セキュリティーの問題などは修正されます。

ANN:Google Maps API for Flashの廃止が発表されました - Google-Maps-API-Japan | Google Groups

「Maps API利用規約の廃止ポリシー」によると3年間は深刻なバグやセキュリティーの問題は修正されるようです。しかし、3年後にはメンテナンスされなくなるなり、何かの拍子に動かなくなることもありえるでしょう。

新規に Google Maps API を使ったサイトを作成する場合には、JavaScript の Google Maps API v3 を利用することが推奨されています。

そもそも v2 をベースにしていた Google Maps API for Flash

Google Maps API for Flash がリリースされたのは 2008年5月。そのときには、JavaScript の API も v2 でした。

その後、いくつかの Flash サイトでは、Google Maps API for Flash を活用したものが登場してきました。たとえば、New York City Homicides Map - The New York Times では、地図を ColorMatrixFilter でモノクロ可して、サイトの雰囲気に合わせているのが印象的で、Flash ならではだなーと思ったりしました。

その1年後、2009年5月に JavaScript の API は v3 にバージョンアップされました。API キーが不要になり、iPhone がサポートされ、MVC を利用した構造で再構築されました。2010年5月には、Styled Map 機能もサポートされ、「独自の色の地図」も JavaScript API で実現できるようになりました。

JavaScript API の進化に置いていかれた Flash API ですが、2009年7月、Flash API 独自の機能として「perspective map」が追加されたのが印象的でした。この機能を使うと、Google Maps の地図を 3D 風に傾けて表示できたのです。

しかし、その後、JavaScript v3 の API が進化していく一方で、Flash の API は v2 をベースにしたまま進化は止まっていました…。いつしか、Flash API を使った Flash サイトを見る機会も減ってきた気がします。

今回、Flash の API を v3 にするコストと、それによって得られるメリット・デメリットを比較して、今回の廃止に至ったのでしょう。

今後作るなら JavaScript v3 で

JavaScript v3 API ではストリートビュー、Places検索、モバイル(Android, iPhone)のサポートなどもあるため、今後は JavaScript v3 API を使いましょう。駆け込みで Flash を使いたい人は、3年以上長持ちするようなサイトでないなら、実験するなら今のうちです。

(追記 2012/02/21) API キーの取得ができなくなっていたようです。今後の新規利用はますます現実的ではなくなりました。

New keys are no longer available for the Maps API for Flash.

Sign Up for the Google Maps API - Google Maps API — Google Developers