Visual Studio Code は JavaScript 開発が超絶便利になる可能性を秘めている!
クロスプラットフォームでオープンソースな IDE 環境、Visual Studio Code が公開されたので試してみた。
拡張を入れなくても、デフォルトで JavaScript の「自動 Lint」「Grunt、Gulp 連携」「デバッグ」が動いた。なんだかすごく便利そうな予感。
Windows 環境で起動してみたらこんな画面だった。
なんか黒いが、色は好みにカスタマイズできるし、プリセットからも選べる。
フォルダーを開くことから始まる
Visual Studio Code にはプロジェクトの概念はない。
[File] > [Open Folder] からフォルダーを開けばよい。
ためしに、過去に作った Node.js 製の livereloadx のフォルダーを開いてみた。
左側にツリーが表示されている。プロジェクト内のファイルを開くにはツリー上でクリックしてもいいし、Ctrl+P
を押せば、ファイル名でインクリメンタル検索できる (上の図では fi
と入力しているので、filter.js
や config.js
が引っかかってる)。
ファイル内の文字列で検索するには、左の虫眼鏡を押すか、Ctrl+Shift+F
から。
自動 Lint
左下の警告マークのところに 4 と出てるのでクリックしてみると、Buffer
とか __dirname
が見つからないといわれた。
警告をクリックして、電球マークをクリックすると、「node.d.ts
をダウンロードする」というオプションがでてきた。
d.ts
は TypeScript の型定義ファイル。これの Node.js 用を自動的に落とせるようだ。
落とすと警告は減った。が・・・本当に対処したほうがいいやつが出てきた・・・。
ESLint と JSHint に対応しているらしい。
Git 連携!
コードを修正すると、左側の Git マークのところに数字が!
Git マークを押すと、最後のコミットから変更されたファイルが出てくる。git status
の GUI 版みたいな感じ。
ファイルを選択すると差分が分かるし、+マークを押すと git add
するし、矢印を押すと変更を破棄できる。上の部分にメッセージを書くとコミットできる。
Git フレンドリー!
Grunt, Gulp 連携
Ctrl+Shift+T
を押すと、何も設定してないのに単体テストが走った!!
右側に単体テストの結果が表示されている。
理由は Gruntfile.js
に test
というタスクが登録してあるから。Visual Studio Code さんは、Grunt や Gulp、Jake のタスクを自動的に解釈してくれているのだ。
他にも build
というタスクがあれば、Ctrl+Shift+B
でビルドが走るらしい。カッコイイ。
もちろん、それ以外のタスクも開始できる。
F1
から Run Task
を入力すると、実行できるタスクの一覧が出てくる。ためしに、watch
タスクを選択すると、IDE 内において「編集したら、Lint して単体テスト、結果を表示」というフローが実現できた。カッコイイ。
デバッグ!!!
コードの適当なところに F9
でブレークポイントを設定して、F5
でデバッグを開始してみる。
「Node.js と Mono のどっちをデバッグする?」と聞かれた。拡張を入れたら他の言語もデバッグできるらしい。
ここでは Node.js を選ぶ。
.vscode/launch.json
が開くので、ここで何をデバッグするか設定する。
program
のところで開始する JS ファイルを指定してみた。
再度、F5 でデバッグを始める。
ブレークポイントで止まった。
左上の Variables にはローカル変数やクロージャー内の変数の値が出てくる。左下にはスタックトレースがある。
F10
でステップオーバー、F11
でステップイン、Shift+F11
でステップアウトできるのは Visual Studio と同じ。
他にも機能はたくさん
まだまだ確認しきれていないが、機能はたくさんあるようだ。
- TypeScript なら変数名の変更やシンボル名での検索にも対応してるらしい。
- コードスニペットは、特定の文字を入力して、Tab を押したら定型文を挿入してくれるので便利そう。
- CSS (Sass, Less) にも対応してる。Lint するし、
Ctrl+Shift+O
でシンボルに飛べる。 - この記事の Markdown を Visual Studio Code で書いているが、
Ctrl+V
でプレビューできる。
言語ごとに何ができるかは、ドキュメント の LANGUAGES の中をみると一通り書いてある。
エディターとしての機能はまだ確認しきれていない。Windows なら日本語は問題なく通る。折り返しできない (?) のが、今この記事を書いていて不便に感じる。動作はサクサクしている。
(追記) Workspace Settings から "editor.wrappingColumn"
の値を変えたら、折り返し幅も変わった。
雑感
ここまでの機能がデフォルトで有効になっている、というのはなかなかの衝撃であった。
ほめちぎりすぎたので、最後に悪いところも書いておく。
現状の Visual Studio Code は、メインメニューやコンテキストメニューが状況に応じて変化しない。便利な機能を使うためには、ショートカットキーを覚えるのが前提になっている。ドキュメントを読まないと何ができるのか見当つかないし、ショートカットを覚えるコストも高い。
公式のドキュメントはよくできているので、一通り読めば分かるんだけど、言語ごとに使える機能に違いがあるので、そのあたりもややこしい。
自分は Visual Studio を普段使いしてるので、慣れてるショートカットキーがそのまま使えて、手触りはとてもよかった。